某月某日・午後17時32分  仕事(暗殺)を終えて帰宅すると ドアの前に何かが包まれた布が置かれていた。 某月某日・午後17時34分  荷を降ろし、先ほどの布を開いてみる。 某月某日・午後17時35分  出て来た物は一冊の帳面だった。 某月某日・午後17時39分  帳面には、ある頁に札が付けられていた。その頁を開き、読む。 某月某日・午後18時21分  気が付けば1時間近く経っていた。 某月某日・午後18時44分  頬を伝わる涙が止まらなかった。 某月某日・午後18時48分  その頁の終わりには。 「どうか、事実を知ってください。…町の名匠」 某月某日・午後18時57分  私は自分の考えだけを走らせ、報復という名の愚行に走っていた。  彼を殺害し、その下で、奪われた物は奪還すると。  今の私では彼には、かなわないと「殺し屋」という影に身も心もよせて。 某月某日・午後19時02分  彼とは魔剣騒動以前に何度かお手合わせをしていただいていた。  その都度、私は殺害の好機とアイテム奪還の好機を探っていた。  そんな日が続いた、あの日。彼は魔に魅せられた。 某月某日・午後19時09分  彼は自分から魔に魅せられた。  そして、魔に魅せられた彼を私は魔にすがり正気へ帰した。 某月某日・午後19時15分  彼が自分から魔剣を手にし、私に決闘を挑んだ理由。 某月某日・午後19時22分  今、無知な私は、やっと、わかりました。   某月某日・午後19時47分  私は、彼に、償うことは、できるのでしょうか 某月某日・午後20時04分  決闘後も、一緒に笑い、一緒に御飯を食べた、あの人に。 某月某日・午後20時32分  いくら自問自答しても答えが見つかりません。 某月某日・午後20時48分  私は帳面を再び布にくるみ、荷の中へ入れました。 某月某日・午後21時00分  食料、雑貨を軽く詰めた荷を肩にかけ、外へ。 某月某日・午後21時49分  布に包まれた帳面を閉まった店の前へ。 某月某日・午後22時14分  帳面の札が付いていた頁の一番下に書いておきました。 「いつか、また、笑って皆で、チキンを囲めるように。 影に身を潜めた自分を自分で許すことができたその日に。きっと」 某月某日・午後22時30分  私は都市から外に出た。 暗殺者の記録帖「黒騎士と私。事の終末と私。」より